SSブログ

和紙を貼る事 [ココロ目]

せっせと和紙を貼る一閑張りの手が止まる

IMG_0165.jpg

NHK特集「さらば日劇~青春の街角の半世紀~」(1981年3月20日放送を再放送)

話では知ってた。

戦時中、劇場が封鎖され軍事工場となり東京宝塚大劇場で風船爆弾が製造されていた話は聞いたことがあった。
戦時下のこの話には娯楽と対極の事変に想像が及ばなかったが、本日放送の「さらば日劇〜青春の街角の半世紀〜」の中で日劇でも風船爆弾が女子学生たちの手で作られいて当時の製造していた女性にインタビューの声が流れた現実味を感じた。

「和紙をコンニャク糊で貼り合わせて作るの」
「ガスを入れ過ぎて破裂し、飛び散った破片を床で集めて泣いた、あの床には私たちの涙が染み込んでいる」
現実を突きつけられた話に一閑張りで日本の和紙の素晴らしさが兵器として利用されていたのを知ったのです。
気球にして偏西風に乗せて飛ばす爆弾、ネットで調べてみた。
計画当初はペスト菌や炭疽菌など生物兵器利用が目的だったとあります。
世界中がコロナウィルスと戦ういまだとどれほど愚行な計画なのか実感します。巨大な気球を作る為に劇場の天井が高い空間を使った過去。
それは森光子さんがいう「平和でなければエンターテインメントは成立しない」浅草国際劇場など大劇場の歴史を見てきた森さんならでは重い言葉だと改めて思った。
劇場も行けないいまです。森さんが若い二人に残した言葉は継承され娯楽(エンタメ)は庶民にとっては生きるためのエネルギーなのを伝えてました。
「娯楽」落語、演劇、歌舞伎、相撲・・・非常時に真っ先に切られるその場所で殺傷能力のある兵器を女学生に作らせていた事実を40年前のドキュメンタリー番組ではキチンと残していたのです。

劇場のあの空間が平和でいられる「いま」と和紙がもっと生活に役に立つ世界に誇れる素材なのを大切にしたいと放送を見ながら思いました。
毎日小麦粉と水で作るデンプン糊で和紙を貼り重ねるのは外出できない時間をせっせとモノ作り作業して気を紛らわせている自分とは全く違う黒い歴史の事実でした。




nice!(0)  コメント(0)