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昭和の詩人 [ココロ目]

先週地上波で初放送された

「この世界の片隅に」

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映画館ではおぼろげだった劇中歌がわかった。

空の神兵」(昭和17年)
歌詞:梅本三郎
作曲:高木東六
藍より蒼
く 大空に大空に
たちまち開く 百千の
真白き薔薇の 花模様
見よ落下傘空に 降り
見よ落下傘空を
征く
見よ落下傘空を征く
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知多さん、刈谷さん堂本さんが北條さんちの隣組
隣組(昭和15年)
作詞:岡本一平(岡本太郎の父)
作曲:飯田信夫
1 とんとん とんからりと 隣組
  
格子(こうし)を開ければ顔なじみ
  
廻して頂戴 回覧板
  知らせられたり 知らせたり

2 とんとん とんからりと 隣組
  あれこれ面倒 味噌醤油
  ご飯の炊き方 垣根越し
  教えられたり 教えたり
劇中で女学生が隊列を組んで歌いながら通り過ぎる歌は
「勝利の日まで」(昭和19年)
歌詞:サトウハチロー
作曲:古賀政男
5番
街の工場の乙女の指も
今日もくるくるお国の為に
我等はみんな力の限り
勝利の日まで勝利の日まで


この歌がコトリンゴさんの歌う主題歌
「悲しくてやりきれない」昭和43年
歌詞:サトウハチロー
作曲:加藤和彦
歌 :フォーク・クルセイダース

サトウハチロー氏なのでした。サトウハチローは戦後の日本人を明るくした「リンゴの唄」の作詞家で詩人。

平和でなければ詩人もエンタメも成立しないを実践している。

「街の工場」とは女子挺身隊で軍部に強制労働を強いられた女学生を鼓舞させる歌詞です。歌詞は乙女を愛国少女に洗脳し勉強も音楽も取り上げ一番純粋で無垢な心に入り込むのです。

「真白き薔薇」が落下傘ならそのパラシュートをミシンがけをしたのも当時は女学生の母たちでした。
最近になって「自分が縫ったパラシュートが開くか不安だった」と笑いながら話していた。

フォーク・クルセイダースの「悲しくてやりきれない」は発売自粛になった「イムジン河」の差し替え楽曲で生まれ、51年たっても色あせないでいらるのは平和だからなのだと思う。

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2019年12月20日追編というカタチで「この世界のさらにいくつもの片隅に」が公開される。

「この世界の片隅に」を三年前に映画館で観た時の母のひとこと

「たくさんの人に見て欲しい」で思い立ち支援に協力。

映画のエンドロールに母親の名前が記されます。

映画の主人公の妹「すみ」さんと同じ年で同じ青春を過ごした91歳になる母への贈り物です。

お母さんの縫った落下傘は無事開いたのでしょうかね〜

のんさんのまだるっこい語りが聞こえてきそうです。

剛さんにつながらない話でもないサトウハチローはこんな詩も書いているのです。

かわいいかくれんぼ

歌詞:サトウハチロー

作曲:中田喜直



他国を憎むのではなく「戦争」を憎むのです。



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